2016年6月17日金曜日

本日のクラスのワンシーン 6/17 クラスみんなが仲良しとは限らない

こんにちは。さすらいの日本語教師です。
本日も当ブログにお越しくださいまして、ありがとうございます。


私がいつもクラスで語彙を覚えるためにやっている活動に、「ステッカーチャレンジ」というペアワークがあります。
語彙表の単語を制限時間内に言う活動です。
ペアになり、最初はリスト順にスペイン語→日本語、それが制限時間内に言えたらスペイン語→日本語、それもできたら今度はランダムに日本語→スペイン語、スペイン語→日本語を言います。1段階パスするたびにシールをゲット。

自分が語学の授業でこの活動をやってみるみる単語が覚えられたので、これはいい!と思って自分のクラスにも取り入れました。どこの国でやっても学生が好きな活動で、単語の覚えも速いです。

あるクラスではこの活動が特にアツい。本気で取り組んでいる学生は、家でも授業前にもしっかり練習して本番に備えています。やっている最中にもキーを出す学生のスピードが遅いと「遅い!もっと速く!」とせかすほど(笑)。もし制限時間内に言えなかったときは、容赦なくキーを出してくれた学生に対して「あんた遅い!もっと速く言ってよ~」とか「もっと速い人と組みたい」などと言っています。こういうことが言えるのもこのクラスのいいところ、仲がいいからなのでしょう。
言われた方もちょっとはショックだと思うのですが、それでいじけるのではなく、ちゃんと練習してくるようになります。
そして合格できたとき、とても嬉しそうに二人で喜んでいます。
一人の力だけじゃ合格できないからこそ、合格できた時二人で喜びを分かち合えるのです。


あるとき、AさんとBさんをペアにしました。Bさんだけ遅れをとっていたから、キーを出すのが速いAさんと組ませて今日こそはパスして次の段階に進んでほしかったのです。
ところがBさんは私に「(Aさんと組むのは)No~」と言ってきました。
私はAさんは後から入ってきた学生なので、あまり話したことない、あまりよく知らないクラスメートだから嫌なのかな?と思い、そんなに気にせずそのままペアになってもらいました。
そしてペアワークスタート。
案の定あちらこちらから「もっと速く!」という声が聞こえてきます。
でも終わった時、いつもとちょっと違いました。AさんとBさんのペアではBさんがキーを出しAさんが答えていたのですが、どうもBさんのスピードが遅かったようで、Aさんは合格できませんでした。
制限時間になったときAさんはため息をつき、首を横にふりながら、「遅いんだよ」と怒った顔でいいました。Bさんは何も言いません。他のペアが「遅いんだよ!」とか笑顔で文句を言っている中、このペアだけ空気が違いました。
Aさんが本気で練習してきたから、Bさんの練習不足に足をひっぱられたと思っているのだと思いました。
交代して今度はBさんが答える番になりスタート。Bさんは合格しましたが、ほかのペアのように「やったね」「よかったね」と喜びを分かち合うどころか、Aさんは「これくらい当たり前にできてくれよ」と言わんばかりだったし、Bさんは合格できたのにちっとも嬉しそうではありませんでした。

このとき、この二人は本当に仲がよくないんだと悟りました。
ペアにするときにBさんが「No~」と言っていたのをあまり気に留めずにペアにしてしまった私の落ち度です。
今まで他の国でもさんざんやってきましたが、こんなに険悪なムードになったことはありませんでした。
本気な分、相手の練習不足を責めてしまうし、仲が良くないと責められた方はやっぱり傷つくのです。
真剣であればあるほど、相手との信頼関係が大切なんですね。
そして一見みんな仲良しに見えるクラスでも、その中には気が合う人と合わない人がいる、というのも人間なんだから当たり前のことです。教師なのに、その辺の観察が足りていませんでした。

ペアワークが終わってその後の授業はなごやかに進みましたが、授業後気になってBさんに声をかけると、Bさんは「(Aさんは)きらい、きらい」と言いました。やっぱり仲良くなかったんですね。

二人に嫌な思いをさせてしまったこと、本当に反省しています。
人が違えば関係も違ってくる。「今まで○○だったから」とか「このクラスはみんな○○だから」とかの先入観や思い込みでざっくり学習者を見るのではなく、ちゃんと「今ここ」を、一人一人を見られるようになりたいと思いました。

今日は失敗から学んだこと、「やっちまった」記事でした。







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