2015年8月23日日曜日

☆見方を変えたら結果が180度変わってストレスがなくなった話

以前にもちょっとふれましたが、困った学生がいます。
(関連記事→本日のクラスのワンシーン 8/15 語学学習と謙虚さ)
確信犯的に毎回遅刻する、実力以上のクラスを希望するがついてこられない、そのくせ宿題はやってこない、やってこないから授業に参加できずテンポが狂う、自分の実力を認めたがらない、そもそも教師の説明を聞かない、そもそも教師の指示が理解できない(けど分かったふりをする)、プライドが高いからアドバイスや注意を聞かない、授業中自由な行動が多い、失礼な発言が多い、などなど。
口では大きいことを言いながら、一向に行動を伴わない姿にイライラしていましたし、実際結構ストレスでした。

今回もまたその学生に会ってイライラし、どうしたものかな~と考えながらシャワーを浴びていた時のこと。
ふと、別の視点から今の状況を見たらどうなるだろうと思いました。

上述した内容は、全部教師としての私個人から見た学生の姿。「いい学生・頑張る学生」を期待し、それに合わないからイライラしていることに気が付きました。

じゃあ、客観的に見たらどうでしょうか。
その学生は、きちんと月謝を払っています。自分の求めるサービスに対して、きちんと対価を支払っているわけで、何の問題もありません。そして、提供されたサービスをどの程度享受するかはお客さん(学生)側の問題。100%享受しようと思えば、遅刻しないでくるでしょうし、説明も漏らさず聞いてノートをとるでしょうし、分からなければ質問するでしょうし、出された宿題もきちんとやって力を伸ばそうと励むでしょう。でも、そこそこ享受できればいいという人は、遅刻もするし、宿題もしないでしょう。アドバイスや注意なんて必要ないと思っているかもしれません。そしてそれはこちらには関係のないことなのです。こちらはみんなに同じように値段に見合ったサービスを提供するだけ。究極、その学生が伸びようが伸びまいが、夢を叶えようが叶えまいが、それはお客さん(学生)自身の問題なのです。満足いくまで続けるも自由、もういいやと思って辞めるも自由。インターネット・ケーブルテレビ・電話のようなサービスパックと同じように、授業・宿題・教材・アドバイスというサービスパックの中からどのサービスを使うか(あるいは使わないか)選ぶのも自由なのです。

ちょっと冷たいように感じるかもしれませんが、このようにお客さん目線で考え直してみたら、すごく気がラクになりました。
その困った学生は、なーーんにも悪いことしていなかったのです。

教師というのは、その人が夢を実現するお手伝いをさせてもらうようなもの。
夢が叶うか叶わないかで人生変わってしまうこともあり、そういう意味で、どうしてもその人の人生に関わってしまいます。
そして、上手になってほしい、夢を叶えてハッピーな人生を送ってほしいという想いから、深く関与しすぎてしまうことも。

これまでは確かに与えられたミッションもありましたし、彼らの生活に大きく踏み込んで関与することもありました。
でもここは違います。ここは学校教育機関ではないですし、派遣元からの与えられたミッションもありません。
今私が働いているのは、普通のサービス業です。お客さんが望むサービスを提供していて、それがたまたま「日本語の授業」というだけのこと。望まれればできる限りのお手伝いをするし、望まれないなら最低限のサービスの提供だけしていればいいのです。

そして何より大事なことは、ずっと楽しく勉強を続けてもらうこと。
教師が「宿題!」「テストで何点以上!」なんてガミガミ言って、それが負担になって辞められたのでは身もふたもありません。
彼らがそれぞれ自分のペースに合わせて進めばいい。同じ目標を持っていても、進むスピードはそれぞれ違っているし、それが許容される環境なのです。

・・・って、あれ?問題なのは、私??


はい。結論。
見方を変えたら、180度考えが変わりました。
思考の最初の出発点の違いで、その後の展開ってこんなにも変わるんですね。

もうその学生にそれほどストレスを感じることはなさそうだし、きちんとした態度をとれるようになると思います。



お断り】このような考えを持つのはやる気がみられないこの学生に対してだけであり、イライラしないで快適に過ごすためです。ほかのやる気があって一生懸命がんばっている学生に対しては、今まで通り、ありったけの情熱を傾けて全力で応援していくつもりです(^^)