2016年1月7日木曜日

中級以上のクラスに新たに取り入れる会話上達法

去年の最後の中級の授業。
正確には初級から中級への橋渡し期間が終了し、新年から本格的に中級教材を使っての授業が始まる学習者たちに、中級の勉強は初級と違うということを話していたときのこと。
そのときいた2人の学習者に、ものすごい本気の目で訴えられたんです。

「もっと話せるようになりたい」と。

一人は、頭で理解していても口から出るまでものすごく時間がかかります。
一人は、ある程度のスピードで話すけど文法的なミスが目立ちます。
でも、二人とも想いは一緒。
ついでに言うなら教師も一緒。

そこで私は真剣に、じっくり考えました。


ただやみくもに話すだけでもダメ。文法的にも正しく、かつ即座に反応できるようにするにはどうしたらいいか?
   ↓
正しい例文の蓄積(文法、音韻ともにナチュラルなもの)が必要
   ↓
耳と口で反復練習することにより、知識としてではなく技術として身に着く
   ↓
シャドーイングがいいのでは?


ということで、中級以降のクラスでシャドーイングを取り入れてみることにしました。 
シャドーイングの効果については、もうすでにたくさんの研究報告がされているので、みなさんご存じの通り。 発音や流暢さだけでなく、文法力、語彙力、聴解力も伸びますし、なにより正しい文が口からすんなり出てくるようになるので、学習者たちの願いをかなえるには最適な練習方法かと。 
テキストは、市販されている日本語学習者用シャドーイング教材を使用します。 
毎回の授業のほんの数分から十数分、シャドーイングの練習や到達度を見るのに時間を使うだけなら、進度にもそれほど影響は出ませんし、音源があれば自宅でも練習できます。 

そしてせっかくやるなら、評価が伴った方が努力が報われるしやる気も出ます。 
ということで、初級では、各課の会話を暗記して時間内で言う、というのを会話テストにしていますが、中級以降はシャドーイング、もしくはその例文を暗記して言うことを会話テストとして扱うことにします。
とは言っても、シャドーイングはとても負荷が高い練習方法だし地道な練習なので、学習者が途中でくじけないようこちらもしっかりケアしていく必要があります。

実は、シャドーイングを長期間きちんと授業(外)で扱うの、初めてなんです。 単発の練習には使ったことありますが、練習法の一つとしてであって、それで会話力を向上させよう、評価しようとしたことはありません。

でも、学習者の夢実現のためにぜひとも試してみたい。 

なので、もしこれをお読みの方で、なにか注意点やアドバイス等ございましたら、ぜひともコメントよろしくお願いします!